《完全ガイド》北海道自転車一周の旅(ロードバイク、サイクリング、初心者、ルート、日数、費用、持ち物、熊対策、季節など)
目次
|
---|
・ベストシーズン
・費用
・持ち物
・熊対策
- 北海道一周の旅程(距離、日数、休息日)
海岸沿いをぐるっと一周するとこの距離だ。自転車旅の経験やレベルにもよるが私の自転車の師匠であるダイスケさんが言うには 1日70~80キロで1週間に1日は事故防止の観点から休息日を作ったほうが良いとのこと。その教えから計算すると 1週間のうち6日走って1日80キロだとすると1週間で480キロ。北海道一周をするとなると5週間くらいだ。
ちなみに師匠のダイスケさんはユーラシア大陸、アメリカ大陸を自転車で横断したツワモノで両方合わせて2万キロなどという破格の経験をしている方。私は超初心者!というか今回の北海道自転車の旅が実質初の自転車旅だったのでいろいろ教えてもらった。
ダイスケさん
練習もなしで体力にも自信はなかったが北海道の行きたいところの都市や岬の距離を調べると1日に120キロくらい走れたらベスト!なにもないところに宿泊して宿泊費や日数を浪費せずに済むという観点からです。北海道は自然の宝庫なのでなにもないところも良い場所のはずですが、そのくらい走れると旅程がだいぶ楽になる。120キロだと1週間で1日休息日を取っても720キロ。自信はなかったがなにげに走れて、最高で旭川から札幌の130キロ。
私の自転車ルート
私は以下の理由から反時計回りに周った。
・苫小牧INは決まっていたがどこまで走るのか決めてなかった
→札幌あたりを後にすることで選択肢が多い
・体力自信がなかったので北海道一周が稚内方面はやめて半周になる可能性もあった
・コロナの影響で札幌にはなるべく後に行きたいという考え
自転車は基本的に左側通行なので時計回りにまわると海沿いの道では海側を走れる。ただ、標高上がるタイミングなどを考えると何度も反時計回りにして良かったと思える日があった。これは皆さんの宿泊する場所にもよるが、得だったと思えた場所は下記の区間。
・襟裳岬→帯広
襟裳岬からしばらくトンネルが多く、神経を使った。早朝に出発することによってダンプカーなどが動く8時、9時より前にその区間を走り切ったので比較的楽だったはず。十勝平野に出る前に峠はあるが、それを越えると帯広までなだらかな下り坂なので楽!逆に時計回りだとだらだらと登り坂の上、交通量の多い時間帯にトンネルを通行しなければならない。
・釧路→根室
釧路を出発してしばらくすると峠がある。朝一で登り切ればあとはなだらかで楽だが、反対周りだと疲れたころに峠越え。
・標津→網走
北海道一周で一番難関と言われる知床半島。私は半島の付け根を通ったが、それでも1日の獲得標高は一番だった。こちらも朝に峠越え、斜里に向けてはなだらかな下り坂が続くので後が楽。斜里から網走まではほぼまっ平。
・稚内→旭川
一度は登るがあとは札幌まで基本的に下り。
・旭川→札幌
旭川市内を抜けると峠に。朝一で抜けると後はだらだらと下り坂。
日程的に道南は周らなかった。北海道に着いたときはどこまで行くか未定であったが、自転車旅が楽しくなったのでいずれ線でつなげて日本一周にしようと思ったのと、いろいろトラブルありで(笑)行きたいところが増えたのもあった。今回、苫小牧発着になったがいずれ苫小牧から自宅の埼玉県、札幌から日本海側を通って東北、北陸と走るので北海道一周もその際に完結するわけである。こう規模が大きくなったのも私が人生で初めての自転車旅である今回がとても楽しかったからだ。私のルートは北海道内では約1500キロ、地図の他に利尻島のサイクリングロード、あとはレンタカーで自転車休息日を有効活用して道東とベストシーズンだった富良野と美瑛を旅行している。他にも友人と会ったりなどもありで北海道内では31日間、自宅から苫小牧までのフェリーに乗るため茨城まで往復しているのですべてで35日間かかった。
以下、私の実際の旅程だ。1日に120キロくらい走れると良いのがわかっていただけるかと思う。
日付 | 出発地 |
到着地 | 走行距離 |
獲得標高 | 備考欄 |
6月18日 | 川越(自宅) | 三郷 | 43.6km | 130m | |
6月19日 | 三郷 | 石岡 | 62.0km | 320m | 守谷駅経由 |
6月20日 | 石岡 | 大洗港 | 38.9km | 215m | 茨城空港経由、大洗港から苫小牧まではフェリー |
6月21日 | 苫小牧港 | 苫小牧 | 4.3km | 5m | |
6月22日 | 苫小牧 | 新冠 | 77.9km | 325m | |
6月23日 | 新冠 | 襟裳岬 | 100.3km | 538m | 初の1日100キロ越え |
6月24日 | 襟裳岬 | 帯広 | 124.9km | 482m | |
6月25日 | 帯広 | 富良野 | ー | ー | 《自転車休息日》友達と車で富良野と美瑛と旭川へ1泊観光 |
6月26日 | 富良野 | 帯広 | ー | ー | 《自転車休息日》 |
6月27日 | 帯広 | 釧路 | 118.8km | 433m | |
6月28日 | 釧路 | 釧路 | ー | ー | 《自転車休息日》レンタカーで根釧台地などを観光 |
6月29日 | 釧路 | 根室 | 122.7km | 643m | |
6月30日 | 根室 | 根室 | ー | ー | 《自転車休息日》バスで納沙布岬や根室観光 |
7月1日 | 根室 | 標津 | 91.4km | 385m | |
7月2日 | 標津 | 網走 | 95.8km | 674m | |
7月3日 | 網走 | 中標津 | ー | ー | 《自転車休息日》天気が悪かった道東を晴天の下、レンタカーで観光 |
7月4日 | 中標津 | 網走 | ー | ー | 《自転車休息日》この日もレンタカーで道東観光 |
7月5日 | 網走 | 紋別 | 105.5km | 623m | |
7月6日 | 紋別 | 枝幸 | 95.1km | 459m | |
7月7日 | 枝幸 | 稚内 | 90.0km | 408m | 自走不能に陥ったので宗谷岬→稚内はタクシー(データは宗谷岬まで) |
7月8日 | 稚内 | 利尻 | ー | ー | 観光は自転車でしたがデータには含まず |
7月9日 | 利尻 | 礼文 | ー | ー | 《自転車休息日》観光、トレッキングは歩きで |
7月10日 | 礼文 | 中川 | 90.6km | 245m | 自転車は稚内から中川 |
7月11日 | 中川 | 旭川 | 44.0km | 210m | 自転車は自走不能になった豊清水駅付近まで |
7月12日 | 旭川 | 旭川 | ー | ー | 《完全休養日》今回初のお酒は飲んだがゆっくり |
7月13日 | 旭川 | 札幌 | ー | ー | 軽く札幌観光 |
7月14日 | 札幌 | 札幌 | ー | ー | 《完全休養日》ホテルで仕事&大学の先輩と飲み |
7月15日 | 札幌 | 札幌 | ー | ー | 《完全休養日》友達と支笏湖でBBQ |
7月16日 | 札幌 | 旭川 | ー | ー | 《完全休養日》友達の車で余市と小樽を観光 |
7月17日 | 旭川 | 旭川 | ー | ー | 《自転車休息日》レンタカーで富良野と美瑛へ観光 |
7月18日 | 旭川 | 旭川 | 116.5km | 433m | 自転車復活で自走不能になった豊清水から再開 |
7月19日 | 旭川 | 札幌 | 129.7km | 369m | |
7月20日 | 札幌 | 苫小牧 | 65.1km | 259m | 苫小牧から大洗まではフェリー |
7月21日 | 大洗 | 土浦 | 49.2km | 222m | |
7月22日 | 土浦 | 川越(自宅) | 80.4km | 325m | |
データ合計 | 1746.7km | 7703m |
- ベストシーズン
ご存じの通り、冬は雪があるので無理。私が行った6月下旬から7月下旬あたりがちょうど良い。この時期でも曇りの日は寒いくらいの日もあったので春や秋は冷え込みも覚悟しなければならない。7月下旬には富良野のラベンダーもベスト。ちょうどこの時期は全国的に梅雨なので、この期間中に旅行に出る方は自然と北海道に気が向くと思われる。ここ数年で「蝦夷梅雨」と言って梅雨がないわけではない。6月下旬から7月上旬あたりは曇りの日が多いので、体力的に楽なのは魅力的。7月中旬以降は晴れの日が多く、距離の割に体力の消耗は曇りの日とは違った。休憩も頻繁に取らなくてはいけないので時間も要す。ただ、北海道らしい雄大な景色を優先すると晴れの多い7月中旬以降か?
- 費用
スーパーエコノミー テント泊&ノングルメ |
エコノミー ライダーハウスorゲストハウス&ノングルメ |
ビジネス ビジネスホテル&夜グルメ |
|
宿泊代 | ー | 1500円 | 4000円 |
食費 | 2000円 | 2000円 | 3000円 |
温泉or銭湯 | 300円 | ー | ー |
その他雑費(飲料水、洗濯代、入場料など) | 700円 | 700円 | 700円 |
1日あたりの概算合計 | 3000円 | 4200円 | 7700円 |
1か月の概算合計 | 90000円 | 126000円 | 231000円 |
宿泊
宿はピンキリなので、ビジネス以上のホテルも価格帯から計算して割り出せる。自転車は部屋まで持っていけるところ、倉庫などで預かり、フロントに立てかけなど施設によって様々。各ホテルの対応は私が宿泊したところに限られるが旅行記にて紹介する。
スーパーエコノミー:テント持参の野宿だ。道の駅や行政の敷地など野宿お断りの案内をよく見かけたのでご注意。
エコノミー:ライダーハウスやゲストハウスのドミトリーを利用
ビジネス:格安ビジネスホテルのシングルを利用
食費
朝から夕方までは自転車をほとんど走っているはずですし、お昼時にレストランがあるような場所にいるかもわからない。私は観光の日以外はホテルで朝食もしくは私がおすすめするセイコーマートのHOTCHEFのおにぎりなど。都市間の距離が長いのもありトイレはもちろんコンビニも行けないこともあるので朝と昼は軽め。
雑費
北海道は自然を楽しむ観光地が多いので、そこまで入場料を支払うところはなかった。洗濯はシャワーの際や洗面所でしてしまえば節約できる。私は北海道のおいしい水道水をペットボトルにつめて毎日出発していたのもあり、自転車に乗っている日は1日300円くらいだったと思われる。
- 持ち物
《旅行用》
服3セット
歯ブラシ、せっけん、バンドエイド、体温計&マスク(コロナ期間のため)など
《自転車用》
自転車用の持ち物に関しては事故防止などの観点からのおススメの色なども交えて基本的なアイテムはこちらにてご紹介。自転車旅の持ち物
- 熊対策
北海道を旅をするとなると気にしないといけないのは熊!自転車に乗っているときだけではなくトレッキングなどをする際はご注意!時々、熊がいつ出没したかを知らせる看板が立っているがけっこう近い日時なことが多い。
熊に出会ってしまった時のことを想定して知識も頭にしっかり叩き込んでおこう!
《知識》
野生の熊を見たい気もするが一番良いのは出会わないこと。熊も人間と出くわすことは基本的に望んでいないので、人間がいるぞアピール!一般的には鈴、ラジオなどを使う。ひとりでなければ話し声だけでも向こうは気づくであろう。
熊の本性で逃げると追ってくるとのこと。走ると4,50キロは出せるということなので自転車であろうと逃げるのは難しい。距離があるからと言って逃げるのはやめよう。では、出会ってしまったらどうするか?出会ってからそんなことできるか不安でがあるが、威風堂々とあなたより強いんだぞアピールしながらも様子を見つつ、後ずさりしながら後退らしい。弱みを見せると襲われるとのことなので難しい意味合いだが怖いから逃げているのではないんだぞ!な雰囲気を醸し出しながら「少しずつ強気に後退」。どちらかというと熊が立ち去るのを待つ。決して、熊を興奮させてはいけない。熊にも性格はあるだろうから基本的な知識を実践しつつ、様子を見て臨機応変な行動を。
《行動》
・掟破りの右側通行
自転車はルール上、左側通行ではあるが左は山林や茂みで右は畑や海などの場合は熊だけではなく動物が出た際に対応できるよう右側を走行した。特に反時計回りで周るとそういう場面がそれなりにある。掟破りではあるが、いまだ自転車の右側通行は特に街中では一般的ではあるし、安全第一に考えて命を守るためなら現状では良いと判断。人や車がおらず迷惑が掛からないところで。
・熊が出てきやすそうな雑木林
茂みの中を走る道の場合は大声で歌を歌ってアピール!特に車が走っていない状況ではより張り切って!(笑)車が走っていれば、万が一熊と出くわしても助けてくれると思うし、熊も車の音などは好きでないはず。ただ、道内には車も少ない静かなところもけっこうある。
・舌打ちや口笛など
これは人間がいるぞアピール。音量的に断続的に鳴らせばラジオや鈴より効果的かと。口笛と言っても指笛に近い音。口笛も効果がないわけではないが音のボリューム的に厳しいでしょう。中南米旅行中にバスの車掌が人々の気を引かせるために使っていた指は使わないけど指笛くらい大きな音が出る口笛、そして中学の時に友達から習った舌打ち、舌打ちと言ってもチッチッではなく、口の奥でカーン!と舌で鳴らすもの。
《アイテム》
・熊除け用の鈴
私が買いに行ったイオンでは見当たらなかったので熊用ではなく風鈴を購入した。自転車に乗っているときでなくても使う機会はあるはず。自転車に乗っていると歩いているときのように鳴らないので、自転車に付けたほうが鳴る。
・熊除けスプレー
出くわしてしまった際のアイテムとして一般的ではあるが、私は持っていなかった。実は北海道に着いてから熊のことを思い出したのだ!(笑)あまり荷物を増やしたくもなかったので、出くわしてしまった場合は自転車のチェーンをきれいにするスプレーで威嚇することに。威圧くらいの効果ならあるかも?人間と出会ってすでにスプレーをかけられている熊は覚えているだろうから、スプレーに対して良い記憶はないはず。
・カメラの三脚
至近距離で出くわしてどうしようもなくなった時用の如意棒。スプレーとともにすぐに取り出せるように自転車の後部、ネットのすぐ下に置いておいた。鉈(なた)など本気の武器を持っていたほうが安心。
北海道は国内の他の場所と違って、距離的なことと動物対策でいろいろ異なるので国内の自転車旅を経験している方たちも参考にしてください。
映像で観る自転車旅はこちらから。#1は自宅の川越市から北海道までのフェリーが出る大洗港までですが、このあと北海道一周に続きます。